日本を訪れる外国人観光客が増えています。
東京、大阪、京都、富士山、桜、寿司、アニメ――。
海外から日本を紹介するコンテンツでは、こうした分かりやすい観光名所や日本文化が取り上げられることが多くあります。
しかし、日本人が日常生活の中で本当に好きなものは、必ずしも外国人観光客が注目するものとは限りません。
そんな疑問から、海外掲示板Redditのr/AskAJapaneseに、
外国人にはあまり評価されていないけれど、日本人が本当に好きな日本のものは何ですか?
という質問が投稿されました。
すると、日本人や日本に詳しいユーザーから、非常に興味深い回答が次々と寄せられました。
そこで挙げられたのは、豪華な観光地でも有名なアニメでもありません。
季節限定の商品、地方の小さな町、日本のお笑い、たぬき、こたつ、サイゼリヤ、そして「言葉にされない空白や余韻」まで。
外国人から見ると意外なものの中に、日本人が日常的に感じている魅力が詰まっていました。
外国人が知らない「日本の季節限定文化」
特に多くの反応を集めたのが、日本の季節限定商品です。
ある日本人ユーザーは、
「季節の商品や、実験的な味や食感の商品が好き」
と回答。
コンビニでは毎月のように新商品が登場し、瀬戸内レモン、マンゴー、塩キャラメルなど、その時期だけの商品が販売されます。
セブンイレブンで働いていた経験を持つユーザーは、新しい商品カタログを見ながら、どの商品を扱うか選ぶこと自体が楽しかったと語っています。
特にアイスクリームやパンには、毎回新しい商品が登場するとのこと。
日本人にとっては当たり前の光景ですが、海外のユーザーからは、
「外国人も旅行先ではこういう商品を試すのが好き」
という反応も寄せられました。
つまり、日本人にとっての日常的な「期間限定」が、外国人観光客にとっては旅行の楽しみの一つにもなっているようです。
日本人が好きな「何もない地方」
意外にも多くのユーザーが挙げたのが、観光地ではない場所です。
東京や京都のような有名都市ではなく、
地方の小さな町を歩くこと。
これこそが日本の魅力だという意見です。
あるユーザーは、外国人観光客に対して、
「観光地になっていない場所に行ってみてほしい」
とコメント。
別のユーザーは、四国や東北にある小さな町こそ、観光客がまだあまり訪れていない日本を感じられる場所だと指摘しています。
これは、日本人が海外旅行をするときにも似た感覚があるかもしれません。
有名な観光名所を一通り巡った後、地元の人しか行かないような商店街や住宅街、田園風景などに魅力を感じることがあります。
日本に住んでいる人にとっては何気ない風景でも、外国人にとっては「本当の日本」に見えることがあります。
「歩くこと」そのものが観光になる
大阪の箕面の滝をめぐるコメントでは、こんな面白い話も出ました。
外国人観光客が箕面の滝と勝尾寺、駅の間をタクシーで移動しているのを見て、
「そこは歩くこと自体が目的なのに」
という日本人ユーザーの声です。
もちろん、タクシーを利用すること自体が悪いわけではありません。
ただ、徒歩で山道を歩きながら景色を見たり、季節の空気を感じたりすることも、その場所を訪れる魅力の一部です。
別のユーザーも、
「車で移動すると、せっかくの景色やその場所の空気を楽しめなくてもったいない」
という趣旨のコメントをしています。
観光地を「目的地」として見るのではなく、そこへ向かう途中まで含めて楽しむ。
これも日本の観光文化の一面なのかもしれません。
外国人には伝わりにくい「日本のお笑い」
今回のスレッドで特に興味深かったのが、日本のお笑い文化です。
ある日本人ユーザーは、
・落語
・漫才
・コント
・プロの芸人文化
などは、日本国内では非常に大きな存在感を持っているにもかかわらず、海外では意外なほど知られていないと指摘しました。
確かに、日本のお笑いには日本語そのものを利用したものが少なくありません。
言葉の響き、ダジャレ、方言、文化的な共通認識、テレビ番組の文脈などを理解していないと、面白さが伝わりにくい場合があります。
実際、外国人ユーザーからも、
「日本人の友人とのメッセージをAIに分析してもらったら、自分が理解していなかった日本的な冗談が含まれていた」
という体験談が寄せられました。
本人は、それまで相手のメッセージを真面目な内容だと思っていたものの、実は冗談やからかいだったことを知ったそうです。
日本語を話せるだけではなく、日本人同士の文化的な共通認識まで理解しないと、本当の意味で日本のお笑いを楽しむのは難しいのかもしれません。
「サイゼリヤ」は日本人が思う以上に愛されている?
そして突然登場したのが、サイゼリヤです。
あるユーザーは、
「サイゼリヤ。安いんだから文句を言うな」
と投稿。
すると、
「この物価高の中でサイゼリヤには永遠に感謝する」
という声や、
「もっと高くなっても食べ続ける」
というコメントまで登場しました。
サイゼリヤは日本では珍しくないファミリーレストランですが、リーズナブルな価格でイタリア料理を楽しめる店として、多くの日本人に親しまれています。
さらに、びっくりドンキーも好きだという声が出るなど、外国人が想像する「日本の食文化」と、日本人が日常的に好きな食事には意外な違いがあることが分かります。
外国人が日本食として寿司やラーメンを思い浮かべる一方、日本人にとってはサイゼリヤやファミレスも普通に「好きな食べ物」の一つなのです。
「たぬきがかわいい」という日本文化
別のユーザーが挙げたのは、
たぬき。
「たぬきがとんでもなくかわいい」というシンプルなコメントに、多くの反応が寄せられました。
日本では昔から、たぬきは昔話や民話、信楽焼などを通じて身近な存在です。
一方、外国人からすると、日本の野生動物としてたぬきに特別な思い入れがあるとは限りません。
そのため、
「なぜ日本人はたぬきをそんなに好きなのか?」
という感覚になる人もいるでしょう。
もちろん、すべての日本人がたぬきを好きなわけではありません。
それでも、キャラクターや置物など、たぬきが日本の日常に自然に存在しているのは、日本独特の文化の一つと言えます。
日本人が大切にする「季節の細かな変化」
さらに印象的だったのが、日本の四季についての議論です。
外国人からすると、
「日本だけに四季があるわけではない」
というのは当然の話です。
実際、欧米にも春夏秋冬が存在します。
それでも、日本では季節の変化を非常に細かく楽しむ文化があります。
桜が散っていく様子。
夏の蝉の声。
秋の赤とんぼ。
収穫後の田んぼから漂う煙の匂い。
干し柿の味。
障子が揺れる音。
季節限定の商品。
こうした非常に細かなものまで、日本の季節感として捉える人がいます。
あるユーザーは、春夏秋冬を単に気候の変化としてではなく、
色、味、匂い、温度、音など五感で楽しむもの
として日本文化の中に根付いていると説明しました。
日本の文学や芸術でも、季節の変化は長く重要なテーマとして扱われています。
そのため、日本人にとって「四季」は単に4つの気候があるという話ではなく、生活や文化の中に組み込まれた感覚でもあるのでしょう。
「言葉にしない余韻」が日本らしさ?
今回のスレッドで最も哲学的だった回答が、
「言葉にしない空白や余韻を感じられること」
という意見でした。
日本では、すべてを言葉で説明しないことがあります。
文章、会話、映画、漫画、文学、料理、庭園などでも、あえて説明しすぎず、受け手に想像させる表現があります。
外国人から見ると、
「なぜもっと直接言わないのか?」
と感じることもあります。
しかし、日本文化に慣れている人にとっては、その「説明されない部分」に意味を感じることがあります。
すべてを明確に言葉にするのではなく、相手が察する。
余白そのものを楽しむ。
今回のコメントでは、日本の生活の大部分は「正解を説明できるもの」ではなく、そうした曖昧さや余韻によって成り立っているという意見も出ていました。
これは外国人が日本文化を理解するうえで、かなり難しい部分かもしれません。
こたつも外国人には意外と伝わらない?
さらに日本人ユーザーから、
「こたつ大好き」
という声も。
こたつは日本では非常に身近な暖房器具ですが、外国人には馴染みがない場合があります。
特に、
「外国人には床に座れない人が多い」
という指摘もありました。
椅子とテーブルを中心とした生活に慣れている人にとって、床に座って暖かいこたつに入るというスタイルは、日本独特の生活文化に見えるでしょう。
そして日本人からすると、
「寒い冬にこたつで温まりながら過ごす」
という時間そのものが、冬の楽しみの一つになっています。
外国人が知らない日本の魅力とは?
今回のRedditスレッドで興味深いのは、外国人が知らない日本の魅力として、
「日本だけにしかない特別なもの」
ばかりが挙げられているわけではないことです。
むしろ、
・コンビニの新商品
・ファミレス
・地方の小さな町
・季節の変化
・たぬき
・こたつ
・お笑い
・徒歩で楽しむ観光
・言葉にされない余韻
など、毎日の生活の中にあるものが多く挙げられています。
日本に住んでいる人にとっては当たり前すぎて、外国人にわざわざ紹介するほどではないと思っているもの。
しかし、海外から見ると、それこそが日本らしく見えるのかもしれません。
海外の反応
・日本人が本当に好きなものを聞いたら、観光地ではなく日常の話が出てくるのが面白い
・季節限定の商品は確かに日本旅行で楽しみにしている
・コンビニが毎月新商品を出しているのは外国人からするとかなり面白い文化だと思う
・日本の地方の小さな町を歩いてみたいという外国人は多いと思う
・東京や京都だけではなく、四国や東北の小さな町に行くべきという意見には納得
・日本のお笑いが海外であまり知られていないのは言語の壁が大きいと思う
・日本語が分かっても文化的な冗談まで理解するのは難しい
・サイゼリヤは本当に素晴らしい。日本に行ったら毎日でも食べられる
・日本人がサイゼリヤをここまで愛しているのを見ると面白い
・たぬきがかわいいという意見には同意する
・日本の四季は他の国にもあるけど、日本は季節を楽しむ方法が多いと思う
・桜だけではなく蝉の声や秋の匂いまで季節として感じるのは日本らしい
・日本の季節限定商品はマーケティングとしてもかなり上手いと思う
・外国人観光客がタクシーを使う場所でも、日本人は歩くこと自体を楽しんでいるというのが面白い
・観光地ではない普通の日本の町を歩くほうが日本を感じられるというのは分かる
・こたつは日本に住んでみないと本当の良さが分からないと思う
・言葉にしない余韻を大切にするという考え方は、日本文化を理解する上で重要そう
・外国人が知らない日本の魅力は、実は日本人が当たり前だと思っているものなのかもしれない
・寿司やアニメよりも、コンビニや季節限定商品について語っているほうがリアルな日本生活という感じがする
・日本の魅力を知りたければ、有名観光地だけではなく普通の町を歩いてみるべきだと思う
