埼玉・熊谷市で15年前に起きたひき逃げ事件で10歳の息子を失った母親。
警察官と一緒にビラを配っていた。
今も自分で犯人を追い続け、その結果は、警察の捜査をも動かしている。
小関代里子さん「本当にあの日に何があったのか、真実を知りたい」
小関孝徳君、当時10歳。
2009年9月、孝徳君は、自転車で帰宅途中、車にひき逃げされて亡くなった。
車は逃走し、犯人はいまだに捕まっていない未解決事件。
小関代里子さん「母子家庭だったので、あまりわがままも言わなかったですし、いつも笑っているんですよね、ニコニコしていて」、「サッカーが大好きで、本当に休まず練習も行ったり、試合もちゃんと出てて楽しそうでした」
当時のまま残されている孝徳君の机。
母の代里子さんは、事故現場を行き来する車を独自に調べ続けていた。
その結果、孝徳君をひき逃げした車が、複数台だった可能性が見えてきた。
母親の代里子さんが、事故現場で当時の状況を説明してくれた。
小関代里子さん「そちらの外階段の前に、自転車が倒れている状況で置いてありました。階段前から、8メートル手前のところに、息子が倒れていたんです」
孝徳君は、頭部を車にひかれて死亡。
犯人は救護することなく、そのまま逃走した。
小関代里子さん「いてもたってもいられなくて、紙と鉛筆持って、とにかく（事故現場に）立って、（車の）ナンバーを調べて」
誰が息子の命を奪ったのか。
10年間、現場を通行する約10万台の車のナンバーや行き先をメモし、警察へ情報提供した。
孝徳君が乗っていた自転車は、今も自宅に保管されている。
小関代里子さん「書道教室から家に帰るときに乗っていた自転車です」、「（自転車に傷は残っている?）傷が残ってないですね。つまり、損傷もなくて」
どういう状況で、事件は起きたのだろうか。
真相を知りたい代里子さんは、交通事故鑑定人に独自で調査を依頼。
状況がだんだんわかってきた。
鑑定人の独自調査によると、事件当時の午後6時50分ごろ、自転車に乗っていた孝徳君が車とぶつかり倒れると、その直後、反対車線から来た車が、飛ばされた孝徳君の自転車とリュックをよけたことで、車線をはみ出し、孝徳君をひいた可能性があることがわかった。
株式会社日本交通事故調査機構・佐々木尋貴氏「自転車が飛んで行ってる方向と、（孝徳君を）ひいた車の走り去っている方向が逆になっている。わたし的には2台かなと思っていますね」
立て続けに2台の車にひかれた可能性があるとみられる孝徳君。
現場に残されたタイヤ痕の幅などから、警察は、トラックなどではなく、孝徳君をひいたのは普通乗用車タイプの可能性があるとみている。
危険運転致死の疑いで捜査が続いているが、時効まであと5年余り。
さらに、母・代里子さんは、ひき逃げ死亡事件の時効撤廃を求めている。
小関代里子さん「本当にあと残り5年なので、逃げ得を許さないということと、逃げることを考えない、時効撤廃をこれからも訴えていこうと」、「自分ができることはやるからねって、（孝徳君）見ててねって感じですね」
この事件に関しての情報提供は、「048-526-0110（熊谷警察署）」まで。
FNNプライムオンライン
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