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新潟県警、白バイ運転競技で全国優勝 44年ぶりVと交通安全への思い

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全国の精鋭白バイ隊員が運転技術を競う大会で、新潟県警が44年ぶりに個人と団体で“ダブル優勝”を果たした。全国の頂点に立った藤木雄也巡査長(30)と大島諒巡査部長(26)に日本一の運転技術を見せてもらうとともに、交通安全にかける思いを聞いた。(本田賢一)

 新潟県聖籠町にある県警交通機動隊の庁舎前。オレンジ色のコーンや凹凸がついた細い板などを並べた仮設の実演コースがつくられていた。
 「後ろ、よし!」。後方確認の甲高い声が響くと、2人のバイクは一気に加速し、コーンが置かれた曲線コースに突入してくる。バイクをぎりぎりまで傾けて一気にコーナーを回ると、体制を立て直し、細い板の上をスムーズに走り抜けていく。
 「白バイを高度な技術で安全に運転するには、バランス力と感覚が重要。下半身を使ってバイクをコントロールし、ブレーキとアクセルなどの判断力も求められる」と交通機動隊の井上雅彦副隊長は説明する。
 優勝した2人は4年前、県警の白バイ隊員の中から特別訓練員に選ばれ、全国白バイ安全運転競技大会での優勝を目標に、訓練を行ってきた。
 訓練期間中は交通取り締まりの業務から離れ、運転技術を磨くことだけに専念する。訓練は猛暑の日も極寒の日も、朝早くから始まり、日が暮れるまで行われる。「地味な訓練を繰り返し、できないところは何回でもやるので、心が折れそうになるときもあった」と藤木氏は振り返る。
 全国大会で勝ち抜くには、技術6割、メンタルの強さ4割という。「大会に出るのは初めてだったため、過去の大会の映像を見ながら自分が走る姿を想像してイメージトレーニングした」(藤木氏)
 今年の大会は10月10、11の両日、茨城県ひたちなか市の自動車安全運転センターで開かれた。競技は個人と団体があり、スラローム走行(曲線コースをバイクを傾斜させて正確に走行)など4種目の総合点で優勝を争う。団体は3人で競技する「1部」と、2人で競技する「2部」に分かれ、新潟県警は藤木、大島両氏が2部に挑戦した。
 個人には全国から白バイ隊員の精鋭102人が参加し、藤木氏は4000点満点中3908点で優勝した。2位の警視庁隊員との差はわずか3点だった。
 2人の合計点を競う団体2部(38道府県警と皇宮警察が参加)でも新潟県警は8千点満点中7723点と2位の高知県警をわずか4点差で振り切り優勝した。
 日本一の運転技術をどう生かしていくのか。藤木氏は「模範となるような運転をして、一般ライダーに安全運転を心掛けてもらえるような白バイ乗りになりたい」。大島氏は「オフロードでの運転も訓練したので要請があれば災害現場でも活動したい」という。
 2人からドライバーに向けアドバイスをもらった。藤木氏は「新潟では酒気帯び運転による事故が多いので、飲んだら乗らないを徹底してほしい」。大島氏は「横断中の歩行者に絡んだ事故も多いので、歩行者を守るような運転を」と訴えた。 (映像提供 新潟県警)

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