車事故

廃業に追い込まれる業者も…訪日観光客のレンタカー事故多発「止まれ」標識が原因に?(2023年12月3日)

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■「氷と同じ状態」この時期注意が必要なブラックアイスバーン

 札幌市では、先月24日に今年初となる10センチ越えの積雪となりました。例年と比べ、2週間ほど早い記録でしたが…。

 森唯菜アナウンサー:「週末に降り積もった雪がとけて、道路脇には大きな水たまりができています」

 先月28日の最高気温は、前日よりおよそ8℃高い12.1℃に。季節外れの暖かさとなったと思いきや、翌日の最高気温は0.8℃と、急降下。気温が乱高下するなか、地元住民はあることに神経をとがらせていました。

 住民:「ブラックアイスバーンの状態、氷の上と同じ状態だという意識で歩いたり車を運転したりしている」

 ブラックアイスバーンとは、一見、濡れた路面のように黒く見えるのに、実は薄い氷が張っている路面凍結のこと。気温が変化し、積もった雪がとけた時などに発生しやすいといいます。

 運転手:「ぶつかる、ぶつかる、ぶつかる!ぶつかった…」

 ブラックアイスバーン状態の路面で起きた事故の瞬間です。下り坂でスリップしたタンクローリーが乗用車と衝突。その後も、滑って止まれない車が次々と衝突し、合わせて10台が絡む多重事故となりました。

■「事故の事後報告が多い」訪日観光客が乗るレンタカートラブルの影響深刻

 北海道警によると、12月はスリップ事故件数が1年で最多。これからの時期は特に注意が必要です。この状況に頭を抱えているのが…。

 旅する車 北海道エリアマネージャー 永島幹士さん:「不安です」

 訪日観光客に人気だという、キャンピングカーのレンタカー店です。

 旅する車 北海道エリアマネージャー 永島幹士さん:「(事故の)事後報告が非常に多い。『ちょっとくらい』という表現が、海外の方は日本人と違って。実は見てみたら大きなもの、運転に支障が出るものというケースが多い」

 外国人による事故の増加を受け、訪日観光客への貸し出しを中止する業者や、大きな損害によって「廃業」に追い込まれた業者もあるといいます。別のレンタカー店では…。

 バジェット・レンタカー 新千歳空港店 佐々木一志店長:「こちらの車は、インバウンド客に貸し出した車。ちょうど今週、北海道が積雪状態になってこの車は前方のバスに追突したという事例」

 この店では、11月に起きたレンタカー事故のうち、およそ7割が外国人客による運転でした。今年、1月には、痛ましい事故が起きていました。シンガポールから旅行に来た家族4人のレンタカーが、「一時停止」の標識のあった交差点に進入。ダンプカーと衝突し、母親と赤ちゃんの2人が死亡しました。

■「標識が分からない」外国人の事故増加の原因に?

 不慣れな雪道の運転。さらに、別の問題もあったとみられます。

 バジェット・レンタカー 新千歳空港店 佐々木一志店長:「特に『一時停止』が原因の事故が多い。(標識が)なかなか理解されてないのかなと思います」

 訪日観光客が運転するレンタカーのドライブレコーダーの映像です。一時停止の標識がありますが、速度を落とさず交差点に進入。右から来た車と衝突し、農地に突っ込みました。

 私たちには見慣れた一時停止の標識ですが、「止まれ」が日本語で書かれていることもあって、外国人には理解しにくいという指摘も…。

 レンタカー店では…。

 スタッフ:「This is the notice for using highway.(これは高速道路を使うときの注意事項です)This one is notice for winter road.(こちらは雪道を走るときの注意事項)」

 訪日観光客に車を貸し出すときには、日本の道路標識や雪道での運転の注意点を英語などで丁寧に説明しています。

 タイからの観光客・ハンターさん。日本での車の運転は「今回が初めて」とのことです。

 タイからの観光客 ハンターさん:「(Q.今回の旅の目的地は?)函館に行く予定なんです。あとはニセコ町」「(Q.なぜ電車やバスでなくレンタカーを借りようと思ったのですか?)幼い子どもを連れているので駅まで歩いたりするよりも車で移動したほうが楽だと思ったからです」「(Q.『日本の冬』での運転に不安はないですか?)ええ、もしも道路に雪があったら不安になります。なぜかというと、私たちの国では雪が降らないので…」

 幸い、2日は道路を覆うほどの積雪とはなりませんでしたが、ハンターさんに運転した感想を聞いてみると…。

 ハンターさん:「特に何も不安は感じませんでしたが、車のシステムが何か雪についてピッピッピッと知らせているようでした」

 雪道での運転については大きな不安を感じなかったと話す一方、こんな指摘が。

 ハンターさん:「日本語で書かれた標識は私たちには理解しがたいと思いました。すべて英語で表記されていれば(運転が)とても楽になると思いますが…何と書いてあるのかさっぱり分からないですよ…」

■世界の「止まれ」は国際基準の八角形…日本の標識に英語併記の動きも

 アジア各地の一時停止の標識を比べると、日本だけが三角形。国際基準では八角形です。「止まれ」と日本語表記だけなので、外国人には理解しにくいという指摘がありました。
   
 そこで最近、英語表記が加わるようになりました。実は、東京オリンピックの前から、来日する外国人が増えることを見越して全国の標識の置き換えが進められています。

 しかし、一時停止の標識は全国でおよそ170万本。2017年から付け替え作業が始まりましたが、すべてを付け替えるには10年以上かかるとされています。

(サンデーLIVE!! 2023年12月3日放送)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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