アメリカ東部で、コンテナ船が橋脚に衝突して橋が崩落しました。北米の主要な港での大規模な事故で、国際物流への影響が懸念されています。
■わずか10秒ほどで…橋崩落の瞬間
事故が起きる直前の橋を捉えた映像です。よく見ると、トラックなど車のライトが見え、橋を渡っている様子が分かります。
橋の左下に注目すると、ゆっくりと近づいて来る大きな船の影が見えます。そして、船は橋脚にそのまま激突。一気に橋がすべて崩れ落ちてしまいました。その間、わずか10秒ほどです。
事故が起きたのは、日本時間の26日午後2時半ごろ。アメリカ・メリーランド州ボルティモアで、航行中の大型船がパタプスコ川の河口に架かる橋にぶつかり、崩落しました。
崩れ落ちたのは、1977年に開通した「フランシス・スコット・キー橋」。片側2車線で、およそ2.5キロ。橋を通る高速道路はボルティモアを囲む環状道路で、地域の主要な交通路です。
その下は船がボルティモア港から大西洋に出られる唯一の航路で、大型の貨物船が行き交う場所でもあります。
物流・貿易研究所 木村徹さん
「(ボルティモア港は)北米東岸の主要港の一つです。特にコンテナ船や自動車専用船が多く入港しております」
■国際物流影響も「他の港が混雑するので…」
そんな交通の要衝で、なぜここまで大規模な事故になってしまったのでしょうか?
1箇所の橋脚にぶつかったにもかかわらず、すべてが崩落した橋について専門家は次のように話します。
宮崎大学工学部 森田千尋教授
「橋の長さを確保するためには、こういったトラス構造などが採用されていると思います」
トラス構造とは、複数の三角形による骨組みのこと。その形にすることで、橋全体に安定感が得られるといいます。しかし…。
森田教授
「逆にいくつかの部材が壊れてしまうと、一気に崩落してしまうということが起きるかと思います」
今後、陸の物資輸送以外にも影響が広がる可能性があります。
木村さん
「(復旧が遅くなると)ここに入港する予定の船が他の港に入港することになります。そうすると他の港が混雑をしてしまいますので、そこで北米全体の貨物の遅れが生じる恐れがあります」
(「グッド!モーニング」2024年3月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp