知床沖で観光船が沈没した事故。 「KAZUI」の船底の板にいくつかの穴が開けられていたことが関係者からの証言で明らかになりました。
きのう(6月1日)陸揚げされた「KAZUI」。
2日、網走市内の保管場所では事故の原因究明に向けた捜査が行われていました。
■知床遊覧船の元整備士:「だからこれ構造が悪いんだ。これ危ないから塞いだほうがいいって言ったんだよ」
かつて知床遊覧船で「KAZUI」の整備士として働いていた男性。船底の構造に違和感を覚えたといいます。
■知床遊覧船の元整備士:「底に仕切り板があっても改口っていう人が通れるだけの穴が開いているわけ」
「KAZUI」の船底は4つの部屋に分かれています。
元整備士の男性によるとそれぞれ仕切り板はあるもののいずれも穴があいていて一つの大きな空間としてつながっていたそうです。
海上保安庁の元幹部は小型船でこのような構造は珍しいとしつつもいくつかの可能性を指摘します。
■海上災害防止センター伊藤裕康理事長:「一つは機関室の中をしっかり点検したいもう一つは空気を取り入れたいもう一つは船体を軽くしたい/(軽くすると)速力があがるイコール燃費がよくなる」
去年4月に実施された国の定期検査でエンジンが置かれた機関室の前後にある仕切り板の2つの穴を塞ぐよう検査を代行した機関から指摘を受けていました。
現状の消防設備に対して1つの空間が広すぎたからです。
この指摘を受けて知床遊覧船は去年6月までに2つの穴を塞ぎました。
残る1つの穴を検査機関が確認したか国交省は報告を受けていないということです。
法令上は仕切り板に穴が開いていても問題はありません。
ただこの構造によって船の前方から浸水した場合、水がたまり沈みやすくなった可能性があります。
■海上災害防止センター伊藤裕康理事長:「今回仮に点検口として穴を作っているのなら塞がなければいけないというのは水密が保たれなくなるから出航前にふさがないといけない」
【スタジオ】
▼船底内部の構造を改めて整理します。
▼船底は3つの仕切り板で4つの部屋に分かれていていずれの板にも穴が開いていました。
▼そのうちの一つがエンジンがある機関室でここには消防設備が備え付けられていました。
▼KAZUIのように仕切り板に穴が開いていて4つの部屋が1つの空間となっているとその広さに応じてよりしっかりとした消防設備が必要になるそうです。
▼そこで、去年4月には国の代行検査を行っている機関が機関室の穴を塞ぐよう指摘し運航会社の「知床遊覧船」もこれに従っていました。
▼ただ仕切り板に穴を空け広い空間となっていても小型船の場合は法令上は問題ないということです。
▼最悪の事態も想定した厳格なルールづくりができていたのかどうかも今後の検証材料となりそうです。チャンネル登録をして新型コロナの緊急会見や生配信をいち早くキャッチ!→ https://www.youtube.com/channel/UCSWOnDD1KIriGmyQ7SgNA4A
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