北海道知床半島沖で26人を乗せた観光船が沈没した事故で、観光船「KAZU1(カズワン)」の行方不明者の捜索を続けてきたボランティアが9月17日、男性の遺体を発見しました。
事故からまもなく5か月。行方不明者の家族のため執念の捜索を続けています。
捜索ボランティア 桜井 憲二さん:「見つかってよかったです」
知床半島で9月17日、男性の遺体を発見した羅臼町の桜井憲二さんです。
桜井さんら、ボランティア4人は17日、半島先端付近の啓吉湾で男性の遺体を、文吉湾で腰の骨のようなものを見つけました。男性の遺体は入江の岩の上でうつぶせ状態で発見され、黒のズボンを履いていたということです。
捜索ボランティア 桜井 憲二さん:「物理的に上がってくることはないなと思っていたので。驚きましたよね。やっぱり、帰りたかったんでしょうね」
2022年4月に起きた観光船「KAZU1(カズワン)」の沈没事故。18人の死亡が確認され、依然8人の行方がわかっていません。
桜井さんらボランティアは、5月から捜索を開始し、8月にも乗客の骨を発見していました。
捜索ボランティア 桜井 憲二さん:「みんな協力して探してほしい、まだ…」
捜索は8月で終了の予定でしたが、捜し切れていない場所があったことから、今回の捜索に踏み切ったといいます。
捜索ボランティア 桜井 憲二さん:「一人でもいいから、家族のもとに返せればいいなと思いました。家族にしてみれば、捜索されていない場所があるのはつらいでしょうから。本当にぎりぎりでしたよね、この台風くるので、今日見つけられなかったらもう見つからなかったかもしれない」
家族への思いを胸に、捜索を続けてきた桜井さんらボランティア。海保は巡視船で遺体を網走港に運び、警察に引き渡しました。
警察は行方不明者の可能性もあるとみて、身元の確認を急いでいます。