概要欄
小田急線の代々木上原駅で、ホームと電車の間に挟まれた女性を協力して助け出した人たちに、消防から感謝状が贈られました。
事故は8月5日、代々木上原駅のホームで発生しました。突然、線路に頭を投げ出す形で33歳の女性が意識を失って倒れたところに、電車が入ってきたのです。
絶体絶命の女性のピンチを救ったのは、その場に居合わせた駅員と乗客およそ50人でした。
その場にいた全員が電車を手で押し、ホームと電車の間に隙間を作ろうとしたのです。当時ホームに居合わせた看護師の小笠原弘美さんは「みんなで電車を押しました。押したら少し隙間が開いたので、ホーム上に女性を引っ張り上げた」と振り返ります。
また、電車の中でも女性を救おうという動きがありました。電車に乗っていた看護師の田中いちこさんは「人が挟まれているから、ホームとは反対側に集まろう──という感じになって、外から押すのと車内の乗客も片側に寄ったことで、何とか車体が傾いた」と話しました。
たくさんの人の協力で隙間から救出された女性はその後、心臓マッサージが行われ、意識を取り戻しました。救助された女性は無事回復し、2週間後に退院したということです。
この救出劇に、渋谷消防署は応急救護に当たった小笠原さんと田中さん、そして他の乗客に代わって小田急電鉄の代々木上原駅に感謝状を贈りました。