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関東鉄道は14日、常総市水海道高野町の水海道車両基地で、自然災害による鉄道事故の発生に備えた訓練を警察や消防と連携して行った。乗客の救護や避難誘導に加え、今回の訓練では外国人乗客への対応も想定した。雨が降る中で、関係機関が協力して乗客の安全確保の動きを確認した。
会場には同社と常総警察署、消防など約90人が集まった。震度5強の地震で、15人が乗る走行中の列車が常総線小絹-水海道駅間で脱線したとの想定で、乗客の避難誘導や脱線した車両の復旧活動を行った。
車掌や運転士らが本社などと連絡を取り、通報を受けて駆け付けた消防や警察と現場対応に当たった。救急隊員が治療の優先度を判断する「トリアージ」を列車内のけが人に施し、担架で運ぶなどした。また、市内に多くの外国人が住んでいることを踏まえ、ブラジル人の乗客にタブレット端末の翻訳アプリでポルトガル語の音声を使うなどして誘導する対応訓練も初めて行った。
同社鉄道部の北村恵喜部長は雨天の訓練について、「乗客の安全を第一に考え、関係者が連携して慌てることなく丁寧、慎重にできた」と話した。