<2022年4月から自転車を利用する上で変わったこと…それが保険の加入義務>
福島県生活環境部生活交通課・渡邊 桃子主事:
「全国的に見ますと、自転車が関係する事故というもの結構発生しており、その中でも多額の損害賠償請求の事例がありましたので、その場合に備え本条例を制定いたしました」
福島県が制定する自転車条例。自転車の安全で適正な利用を促すものだが、事故が起きた場合、被害者を救済できるよう保険の加入を義務化した。対象は通勤や通学、買い物など日常的に自転車を利用する人。
福島テレビ・丹野裕之記者:
「クロスバイクやロードバイクを専門的に扱う石田サイクルでは、4月から訪れたお客さんたちに積極的に保険加入などの説明などをしているということです。」
福島市の自転車販売店。新生活などで自転車を買い求める人も多く、購入者に保険の加入を呼び掛けているが…
石田サイクル・石田 英博代表:
「かなり(条例を)知らないんじゃないかなって思います。義務っていうのは。特に年配の方はもうほぼ知らないと思います。」
いわき市では2021年、男子高校生が運転する自転車と衝突した歩行者の男性と死亡する事故が発生。この他、自転車の利用者が加害者となる事故が9件起きている。
通勤で自転車使う男性:
「(家の近くが)お年寄りとか通るんで、気を付けて走らなきゃなと思いますね」
通学で自転車使う高校生:
「死角の(ある)時は、気を付けて通るようにはしてますね。」
自転車を利用する人が被害者にも加害者にもならないように。条例違反による罰則はないが、福島県では保険加入の義務化を周知しながら自転車による事故防止を目指している。
福島県生活環境部生活交通課・渡邊 桃子主事:
「保険加入義務化に合わせまして、改めて、自転車のルール・交通ルールのマナーを見直していただきまして、交通安全にも気を付けて頂きたいと思います。」
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<2021年に福島県内で発生した自転車が絡む事故は311件>
全国的には過失によって、高額な賠償命令が出された事例もある。
例えば神戸市で起きた事故では、当時11歳の小学生が自転車で走行中に62歳の女性と衝突。女性は頭の骨を折るなどを大ケガをし意識が戻らない状態となった。
裁判では約9500万円の賠償命令が出されている。身近な乗り物だが自転車は車両という認識をもって運転しないといけない。
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<福島県内の自転車保険の加入率は?>
au損保の調査によると、福島県内で自転車保険の加入率は49.7%、全国でいうと34番目の低さになっている。
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<保険にはどのような種類がある?>
個人・事業者など対象に様々あって内容にもよるが自転車向けの保険だけだと年間3千円程度。また自動車保険や火災保険の特約でついている場合もある。
そして自転車安全整備店で整備・点検の際に自転車本体にかける「TSマーク」付帯保険もある。※保険有効期間は1年間
まずは加入している保険の補償内容と期限が有効かを確認すべき。
また、条例では会社や学校などに保険の加入の確認も促しているが、ひとり暮らしの高齢者などには家族や周りの人からのアドバイスも大切。
違反による罰則はないが、保険の加入で被害者の救済にもつながる。事故を起こさないよう改めて自転車は車道が原則、左側通行など交通ルールの徹底を。