自転車の危険な運転が社会問題になっている中、取り締まりが厳しくなります。
6日朝の通勤時間帯に名古屋では傘を差して運転している方がいましたが、今後は取り締まりの対象になります。真夜中の市街地を走るタクシーから撮影されたドライブレコーダーの映像には、交差点を右折したところ…目の前から現れたのは自転車が現れます。
よく映像を確認してみると、自転車に乗っている人は片手運転でスマホを持っているようにも見えます。
自転車の傘差し運転や、スマホを操作しながらの運転、イヤホンで耳をふさいでの運転など、こうした行動で歩行者の通行を妨げるなど自転車で悪質な違反をした運転手に対し、いわゆる「青切符」を交付して反則金を求めることなどを盛り込んだ道路交通法改正案が5日に閣議決定されました。
取り締まりは通勤・通学の時間帯の駅周辺など、事故の起きやすい場所を中心に行われ、反則金は5000円から1万2000円程度になる見通しです。
対象は16歳以上で、運転手が反則金を納付すれば刑事処分は行われず、違反の対象は、比較的軽微な112種類になります。
改正案が成立すれば「2026年まで」に実施
名古屋の街で意見を伺うと。
(40代女性)
「一時不停止は、まぁいっかみたいな感じでやってしまうこともある。もう気を付けるしかないですね」
(70代女性)
「右側通行が一番危ない。ぶつかりそうになった。気を付けて私は左側を走ってる」
(40代男性配達員)
「一時停止を見落としがちですね。配達で急ぎで行きたいときに守るのは、時間ロスになるとは思いますけど。安全を考えると多少時間がかかっても守った方がいいのかな」
また、傘差し運転をしていた人たちにも聞いてみました。
(Q.傘差し運転が違反になると知っていた?)
「知らなかったですね。そうなんですね。気を付けたいなと思います」
「知らなかったです」
改正案では自転車だけでなく、電動モーターで走るペダル付きバイク「モペット」について、モーターを止めてペダルだけで走行しても原付バイクの運転に該当することも明記されています。
今回の自転車の交通違反に関する改正案が成立すれば、2026年までに実施されます。それでは「青切符」の対象になる、自転車に乗りながらのスマホ操作について分析します。
JAF=日本自動車連盟が行った実験では、片手でスマートフォンを持って自転車を運転した場合、通常の運転時と比べて、かなりのふらつきが見られ、子どもに見立てたマネキンに衝突してしまいました。
法整備について専門家は「非常に効果がある」
この実験を監修した、愛知工科大学の小塚一宏名誉教授に聞いてみると。
(愛知工科大学 小塚一宏 名誉教授)
「片手でスマホを時々見ながらだと、運転が不安定になる。子ども・高齢者・体の不自由な方、妊婦などは避けきれなくて接触してしまう。自転車側に全面的な責任がある」また、自転車に乗る人の視線の動きを記録した映像では…
(愛知工科大学 小塚一宏 名誉教授)
「これが視線のデータ。動き。直線道路だから安心して画面を見ている。スマホ以外に周辺が視界には入っているが、視線がいかなければ脳で認識できないので、見えていないのと同じ」
自転車に乗った人の視線をたどると信号を一度見た後、スマホ画面に集中してしまい、赤信号を見落として交差点に進入してしまいました。
また、スマホを見ていて、あわや車と接触!
(愛知工科大学 小塚一宏 名誉教授)
「一歩間違えれば出合い頭に衝突する。繁華街ではなくても生活道路でもいっぱい起こりうる」小塚名誉教授はスマホ画面に集中するあまり、不用意に交差点から飛び出してくる自転車も珍しくなく、事故につながる危険性をかねてから指摘していました。
(愛知工科大学 小塚一宏 名誉教授)
「2019年に車の運転をしながらの『ながらスマホ』が厳罰化され、翌年に事故件数などが半減した。(法整備は)非常に効果がある。青切符が始まるからではなく、日頃から自分が加害者・被害者にならないよう、今から努めてほしい」
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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/1038483