概要欄
2019年の池袋暴走事故で、妻と子を失った遺族の松永拓也さんが、車を運転していた飯塚幸三受刑者に損害賠償を求めた裁判が開かれ、松永さん側は飯塚受刑者の持病が事故の大きな要因だったと主張しました。飯塚受刑者側が提出したカルテなどによりますと、飯塚受刑者は事故前に、パーキンソン症候群の疑いがあると診断されていて医師からは「体調が悪いときは運転を控えるように」などと言われていたということです。松永さん側は、被告が事故当時、パーキンソン症候群により安全な運転に対する能力が低下していて、本人もそのことを自覚していたと考えらえるとして、「運転自体差し控えなければならない状況にあった」と主張しました。一方、飯塚受刑者側は持病が運転に与えた影響はないと主張しています。裁判後、松永さんは会見を開き、運転が難しい患者を医師が法的根拠を持って止められるような仕組み作りをしてほしいと訴えました。
松永拓也さん「医者に運転能力がなくなった人の運転を止められる法的権限が認められる制度が整備されれば事故は防げた可能性があるし、今後も防げる可能性がある。医師から止められて運転ができなくなった人をどのように国として社会として救済していくのかそういう議論がされていくことを望んで、今回の裁判であえてこの病気について触れようと思った。」