マレーシアで観光バスがトレーラーに追突し、日本人10人が負傷、70代の女性が亡くなりました。17日にはトルコでも観光バスの事故が起きていて、重傷だった日本人男性が日本時間25日、現地の病院で亡くなったことが分かりました。
■JTB主催 7日間でマレーシア縦断
フロント部分が大破した観光バス。乗っていたのは50~80代までの日本人観光客11人でした。
現地消防当局
「バスが後ろからトラックにぶつかった」
事故は24日午後、マレーシア西部のペラ州で起きました。消防によると、亡くなったのはサイトウミチヨさん(73)。日本人10人がけがをして、4人が入院しています。また、運転手とガイドもけがをしているということです。
JTB 山北栄二郎社長
「この事故により1名のお客さまがお亡くなりになり、複数名のお客さまがけがをされており、病院に搬送され治療を受けておられます。旅行を主催した会社として誠に申し訳なく、心より深くおわび申し上げます」
ツアーはJTBが主催。パンフレットには「マレーシアの魅力を7日間に詰め込みました!」とあり、料金は基本プランで1人15万円となっています。21日にマレーシアに到着し、湖に浮かぶピンク色のモスクがあるプトラジャヤや、美しい夜景が人気のペナン島など、マレーシア各地の観光地をめぐっていました。そして、事故があった24日午後には、避暑地として有名なキャメロンハイランドに向かう予定でした。
24日の行程を詳しくみてみます。ペナンのホテルを午前9時に出発し、ブキッメラを観光。昼食後、約1時間かけ、クアラカンサに向かう途中の高速道路上で事故は起きました。
■運転手は健康面“良好”事故原因は
JTB 山北栄二郎社長
「ガイドも負傷しておりまして、連絡が先にお客さまから入ったという形。(通報は)高速道路を2車線の所を走っていて、今は片道通行止めになっているとか、けがをされた方もいらっしゃいますというような通報だった」
JTBによると、バスは契約しているマレーシアの会社が手配したもので、現地の運転手とガイドが乗っていたといいます。
JTB 山北栄二郎社長
「安全基準については当社企画のツアーなので現地オペレーター、それからバス会社に求める安全基準を契約の中にきっちり盛り込んで、1日の走行距離を制限をかけている。その制限の範囲内での行程だった。(Q.7日間、同じ運転手。基準は守っていた)はい」
事故の原因は明らかになっていませんが、運転手の健康状態は良好で、飲酒などの情報も入ってきていないということです。
■大使館が呼び掛け「運転マナー悪い」
年間22万人以上の日本人観光客が訪れるというマレーシア。在マレーシア日本大使館のHPでは、交通事情に関して次のように注意をしています。
在マレーシア日本国大使館HPから
「運転マナーは悪く、特に割り込みや無理な追い越し運転が多く、またバス、オートバイの無謀運転も多いので注意が必要です」
1年半前、マレーシアに移住したという日本人男性は実際、怖い思いをしたことがあるといいます。
マレーシアに在住 村上年範さん
「交通モラルというのは低いと感じます。結構、車とかバイクが突っこんで来たり、そういったこともよくあること。ある程度、歩幅を合わせないと渋滞の原因になったり、逆に事故の原因になったりするので、ある程度、荒っぽい運転になるのは仕方ないのかなとも感じる」
■トルコではツアーバス横転事故も
25日は、別のツアー会社による、別の事故についての会見も行われました。トルコで17日、日本人観光客20人を乗せたバスが横転した事故。日本人男性1人が重傷を負い、病院で治療を受けていましたが、日本時間25日未明に死亡したことが分かりました。ツアーは近畿日本ツーリストのグループ会社『クラブツーリズム』が企画したものでした。
クラブツーリズム 酒井博社長
「ツアーの企画・実施会社として誠に申し訳なく、心より深くおわび申し上げます」
分かっているのは、少なくとも運転手(50代)の健康に異常はなく、過去の事故歴もないベテランだったことぐらいです。現地当局が事故原因を調査していますが、いまだその答えは出ていません。
■海外ツアーどう選べば?
マレーシアにトルコと事故の相次いだ海外ツアーについて、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんに聞きました。
航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん
「円安の影響で、ヨーロッパで同じ規模のツアーだと2人で80万~100万円かかるのが一般的。一方でアジアなら半額以下、トルコは50万円ほどで旅行できる。コロナ禍があけて、今年は団体旅行が増えている。移動が楽なバスツアーはシニア層で人気が続いている」
(Q.旅を安全に楽しむために、何に気を付ければいいのでしょうか)
航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗さん
「今回のツアーの行程に問題があるとは思えないが、長時間・長距離のバス移動は危険性が高まる。ツアーを選ぶときには、移動に無理がないか確認が必要。ドライバーがスピードを出しすぎる、ふらつくなど危険を感じたら、ガイドやドライバーに伝えることも必要。どうしても事故に巻き込まれることはあるので、シートベルトはきちんとしめるべき」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp