概要欄
11月20日の夜、東京・府中市の京王電鉄の踏切で高齢の男性が列車にはねられて死亡する事故がありました。この踏切では今回の事故の前にも同じように高齢者が死亡する事故が3件起きています。京王電鉄は抜本的な対策を行政に求めていますが、実現の見通しは立っていません。
府中市八幡町にある踏切で11月20日、自転車を押して渡っていた83歳とみられる男性が転倒し、快速列車にはねられて死亡しました。踏切には何らかの障害物を検知すると運転士に異常を知らせ、付近の列車を自動的に停止させる装置が取り付けられていました。しかし今回のケースでは、踏切を渡る道を外れて男性が倒れたため、装置が作動しませんでした。事故の起きた「府中2号踏切」では、2004年から2010年の間に60代から80代の歩行者3人が亡くなっています。
市では多発する踏切事故の解決案として東府中駅周辺の連続立体化を東京都に求めていますが、実現の見通しは立っていません。管理する京王電鉄はより安全に利用者が踏切を渡るため、遮断かんの位置を変えて渡り切るまでの長さを短くしたり、警報音を国の基準より7秒長くするなど、重点的に対策をしてきたと話します。また、自転車や歩行者が線路に落ちないような段差の設置を検討するとしています。ただ、根本的な解決には連続立体化が必要と話しています。