コロナ禍で利用が急増したフードデリバリー。それに伴い、自転車での配達の途中に、ヒヤリとした経験のある配達員も増えています。
そんな配達員を対象にした、交通安全教室が開かれました。
フードデリバリーの大きなバッグを背負った配達員。その視線の先で次の瞬間。
右折しようとした車に、直進してきた自転車が突っ込みました。
さらに、見通しの悪い角から自転車が飛び出し、直進してきた車にはねられました。
北海道札幌市中央区の自動車学校で行われた、交通安全教室での事故の再現です。
6月20日、北海道内で初めてフードデリバリーの配達員を対象に行われました。
スタントマンにケガはありませんが、こんな事故がもし街中で起きたら。配達の途中でヒヤリとした経験がある人が、少なくありません。
配達員(経験約2年):「夜中の繁華街・ススキノで、車がいきなりウインカーも出さずに出て来た」
配達員(経験2か月):「自動車と並走していると、駐車している車があり車道を走るの恐い。30分以内に届けるなど、時間に追われて焦りを感じてしまう」
出かけることなく店の味を自宅で楽しめる、フードデリバリー。
民間の調査会社「エヌピーディー・ジャパン」によりますと、“巣ごもり需要”で全国的に利用者が増加しているといいます。
コロナ禍前の2019年と比べると、2020年1月から2022年4月まで、ほとんどの月で売り上げがプラスに。
初めて全国に緊急事態宣言が出されていた2020年5月には、204パーセントの増加となっています。その一方で気になるのが、配達中の事故です。
北海道警察 札幌中央署 益田 峰行 交通第一課長:「自転車事故は年々増加傾向にある」
札幌中央署によりますと、2021年の管内の自転車が関係する人身事故は103件で、うち配達員による事故は2件発生しています。
いずれも、車が左折する際の巻き込み事故で軽傷でした。
北海道警察 札幌中央署 益田 峰行 交通第一課長:「自転車事業者は、自転車利用のプロフェッショナル。他の利用者の模範となるような運転をしてもらいたいという趣旨で開催。交通ルールを守って運転走行してほしい」
安全教室を受講した配達員は。
配達員(経験2か月):「交通ルールをきちんとわかることができた。細心の注意を払って配達していきたい」
配達員(経験約2年):「改めて身が引き締まる。高い交通安全意識を持たないと」
今後、さらに利用の拡大が見込まれるフードデリバリー。警察は、配達員が模範となる運転を示すことで、街全体の交通安全意識の向上につなげたい考えです。