北海道内では住宅街にもシカの出没が増え、交通事故や食害などの被害も深刻化しています。
夕暮れ後の国道を走る車の目の前に、突然飛び出してきた2頭のシカ。
車はよけきれずに1頭と衝突しました。
北海道道警察によりますと、自動車がシカと衝突する事故はここ5年間は、毎年増えていて去年は4009件‥5年前の2倍となっています。
なかでも最も多かったのが苫小牧市の303件。
人の生活するエリアに現れるシカが増えています。
去年3月、市内小学校のグラウンドシカ20頭がかけまわりました。
中心部に近い市立病院の前にも。
悠然と草や葉を食べるシカたちこうした光景は、もはやめずらしくないといいます。
■北大文学研究院立澤史郎助教:「石狩平野はもともとシカの一大生息地。人が開発して都市圏をつくってシカが追い出されたんですけれど、コロナ禍で人の活動が鈍ったということでだーっと山から降りてきたという情況だと思います。」
山に隣接した住宅街、苫小牧市桜坂地区。市では当初初、オオカミの糞でシカを寄せ付けないように対策をおこないましたが、あまり効果が出ませんでした。
そこで町内会で独自にシカが侵入しないよう、ネットの柵を設置しました。
■桜坂町内会小杉茂・副会長:「全部で10万円以上はかかっています飛び出して車だとか人と接触しないようにっていう対策としては、これがベストかなと思って設置したわけなんですけどあるのかな。」
シカの被害は農地でも深刻です。根室市内の牧草地にもシカの姿が…。
■本田海カメラマン「たくさんのシカが牧草を食べています。」
道内で相次ぐ、『シカによる農林業への食害被害』被害の減少が続いていましたが、2020年度には増加に転じ、40億円を超えました。
■北大・文学研究院立澤史郎・助教:「(繁殖率は)平均で20%くらいシカが特徴的なのは、栄養状態がいいと30%くらいに上がるあがるときも。」
シカの推定生息数は2011年をピークに減少していたものの、3年前に増加に転じ、最近の調査では67万頭とみられています。
■鶴居村鳥獣対策員桂川裕介さん:「あそこで被害量の調査してるんですよね」道東の鶴居村で鳥獣対策を行う桂川裕介さん。
■桂川裕介さん『この地域でシカの被害量がどれくらいかというのを推定するために立てていて。」
別の場所で撮られた写真を見ると…
ケージで囲った部分は、シカが食べることができないので高さ120センチほどまでに成長していますが、ケージの外はシカに食べられ伸びていないのがわかります村ではシカによる牧草などの農作物が食べられる被害が年々増加し、去年初めて被害額が1億円を超える事態に。
酪農家館山祐介さん:「ルーサンヘイという草なんだけど、わざわざ種植えるだけどみんな食われちゃって頭だけないの、(ブチッ)こう一番上はやわらかいから、一番栄養あるし食っちゃうんだよね。」
電気柵を設置してシカの侵入対策をしていますが草が伸びて柵と触れてしまうと電気が流れにくくなってしまいます。
■酪農家館山祐介さん:「草刈り管理が本当に大変農作業やりながら牛の仕事するっていったら本当に追いつかない。」
シカの被害を減らそうと1昨年度、道内では前の年より2万3000頭多い、13万頭のシカが捕獲されています。
しかし、そのハンターたちを悩ます問題もあらたに出てきています。
■鶴居村鳥獣対策員桂川裕介さん:「弾の不足ですよね。」
業界団体などによると新型コロナなどの影響で、国内では1年ほど前から銅製の弾の品薄状態が続いています。
捕獲による対策を進めるいっぽうで、市街地に現れるシカへは早急な対策が必要です。
■北大・文学研究院立澤史郎・助教:「産まれたこどもは、そこが故郷になってしまうのでよほど追いたててもそこに帰ってきてしまう。」
人里に今やってきているのは、ほとんどがオス。
やがてはメスを連れてきて、人里で子育てする可能性もあるそうです。
オスだけが徘徊している、いまのうちに山へ帰すことが、最優先の課題です。
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