2019年4月に起きた東京・池袋の暴走事故から4年となった19日、事故で妻と娘を亡くし、現在は交通安全を訴える活動を続ける松永拓也さんが事故現場を訪れ、黙とうをささげました。
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池袋の暴走事故では「アクセルとブレーキの踏み間違え」が原因だと裁判で認定されましたが、同様の事故はその後も起きています。
13日には、さいたま市で80歳の女性が運転する車が建物に突っ込み、70代の女性がケガをしました。また、北海道札幌市では去年8月、当時79歳の女が運転する車が自転車の女性をはねて死亡させました。その後、多重事故を起こし、2人がケガをし、過失運転致死傷の疑いで書類送検されました。
どちらの事故の運転手も「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と話しています。
警察庁によると、75歳以上の高齢者が運転する自動車やバイクが起こした死亡事故は、去年1年間で379件です。そして、死亡事故全体に占める高齢ドライバーの事故の割合は16.7%と、過去最高になりました。
また、事故の原因について、75歳未満の運転者が起こした事故の中で「アクセルとブレーキの踏み間違い」が占める割合は1.1%ですが(1622件中18件)、75歳以上の運転者が起こした事故の中では7.7%と「7倍」となっています。(349件中27件)
少しでも運転に不安を感じる人は、免許の自主返納を検討することも必要ですが、運転免許証の自主返納の件数は、3年連続で減っています。前提として、75歳以上の高齢者の免許人口は年々増えていて、特に2021年から2022年の1年で、60万人近く増えています。
対して、自主返納の件数は、池袋の暴走事故があった2019年に約60万件と過去最高となりましたが、その後は3年連続で減少しています。
生活する上で、どうしても車を運転しないといけない人たちもいる中、事故で妻と娘を亡くし、現在は交通安全を訴える活動を続ける松永拓也さんは、「免許返納した後に、特に地方の高齢者がどうやって生きていけばいいかという問題が解決していない。免許返納しても安心して生きていける社会を作っていくように、国や自治体が取り組んでほしい」と話していました。
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対策として国は、去年5月から、一定の違反歴がある75歳以上の高齢ドライバーを対象に、免許更新の際に“アクセルとブレーキを正しく使い分けられているか”調べるために、「運転技能検査」の受験を義務づけました。
また、すぐできる対策として、急発進を防ぐ装置を今乗っている車に後付けすることもできます。装置を取り付けることで、停止、または時速10キロ未満で走っている時に急にアクセルを踏んでも、アクセルへの信号が遮断され、急発進を防ぐ仕組みです。
装置をつけた車の映像では、アクセルを全開に踏んでも、ほとんど進んでいないことがわかります。装置をつけていない車との違いは明らかです。装置は約4万4000円で取り付けることができます。
松永さんは、車の技術などの「ハード面」と、他者を思いやる運転など「ソフト面」の両方を進めていくことが大事だと話しています。
警察は運転免許証の自主返納を迷う人や、返納を説得できないと悩む家族のための専用ダイヤル「#8080」を設置しています。まもなくゴールデンウイークです。ご家族などで話し合う機会を作ってみてはいかがでしょうか。
(2023年4月19日放送「news every.」より)
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