北海道小樽市の国道で酒を飲んで事故を起こし、大学院生を死亡させたとして逮捕された男。
少なくとも6時間以上酒を飲み続けていたとされる男の事故までの足取りが明らかになってきました。
フードを目深に被り自らが起こした事故の現場を見つめる男。
無くならない飲酒運転による悲劇的事故
函館市の会社員、大沢亮汰容疑者(32)です。9月26日午後警察の実況見分に立ち会いました。
9月22日午前7時20分ごろ、小樽市の国道5号線で酒を飲んだ状態で乗用車を運転。対向車線にはみ出して走ってきた車に正面衝突し、大学院生の田中友規さん(24)を死亡させた疑いで逮捕・送検されました。
事故から4日、現場には花や飲み物が手向けられていました。
基準3倍以上のアルコールが検出
「すごい優しい方。弟思いで。許せない(飲酒運転を)厳罰化してもらわないといけない」
「突然のことで信じられないし、非常に残念。話していて楽しくいい先輩だった」(いずれも田中さんの知人)
あまりに身勝手な行動によって若い命が失われた事故。逮捕された際、大沢容疑者の呼気からは基準の3倍を超えるアルコールが検出されていました。
徐々に明らかになってきた事故を起こすまでの大沢容疑者の足取り。その後ハンドルを握るとは到底思えない行動の連続でした。
「大沢容疑者は事故前日オータムフェストに立ち寄り酒を飲んでいたと話しているということです」(福岡 百 記者)
「なんで車運転するんだろう。みんな地下鉄とかで来てるのに」
「いまだに飲酒運転する人がいるんだな。もうしないでしょ。時代的に」(ともに札幌市民)
「(被害者と)年が近いので、まだまだ未来があると思うと、悲しい」(福岡から)
事故前日から6時間以上飲酒を
札幌中心部で開催中の「さっぽろオータムフェスト」で飲食し、一定の時間を過ごしたとされる大沢容疑者は調べに対して…。
「午後6時から午前0時ごろまで友人と札幌市内の居酒屋やバーに行った」(供述より)
大沢容疑者は日をまたぎ友人と別れた後も「ひとりで1~2軒は飲みに行ったと思う」などと話しているといいます。
少なくとも6時間以上は酒を飲み続けていた大沢容疑者。その後札幌市内の駐車場に止めていた車に乗って親族がいる小樽市を目指して出発し、20キロほど走った先で事故を起こしました。
「大変申し訳なく思っている」(供述より)
北海道内ではこれまで飲酒運転による悲惨な事故が繰り返されています。10年前、小樽市で飲酒運転の車に海水浴帰りの女性4人がひき逃げされ死傷。
その翌年の2015年、砂川市では暴走した飲酒運転の車に衝突された一家5人が死傷しました。
悲劇を繰り返さないために
悲惨な事件をきっかけに飲酒運転による事故はある程度減ったものの根絶には至らず、ここ5年はほぼ横ばい。2024年は23日までに既に56件の事故が発生し、4人が死亡しています。
再び悲劇を生み出さないために。北海道警などが小樽市での事故を受けて9月26日夕方、札幌・ススキノで飲酒運転根絶を呼び掛けました。北海道などは秋の交通安全運動中の事故を重く受け止め、9月30日までの期間を初めて10月5日まで延長することを決めました。
警察は大沢容疑者が飲酒運転した動機などを調べながら、危険運転致死容疑も視野に捜査を進めています。
北海道警の過去5年のまとめでは、飲酒事故は午前0時~6時が半数を超え、未明から朝にかけて多く発生していて、曜日別では日曜日と土曜日が上位を占めています。
悲劇を繰り返さないため、一人一人の意識を改めて高めましょう。