独自取材で、ニュースを深堀りする「シンソウ」。岡山・香川では依然として深刻な状況の交通死亡事故。このエリアでの次のリスクを考えます。
(関西テレビ 岩田聡哉カメラマン)
「(上空からリポート)軽自動車は大破し、天井部分が完全に剥がれています」
2024年、岡山では58件の交通事故で60人が死亡、2023年より11人増加しました。一方、香川では30件で31人死亡と4年連続で減少しました。しかし、2025年に入ってから死亡事故が多発し、警察が取り締まりを強化。高速道路での追突や自損事故など事故の形態は多岐にわたっています。
(中西源太記者)
「警察庁が2月に発表した全国の統計を見ると、このエリアでは見えなかった、今後注意すべきある傾向が見えてきました」
警察庁によりますと全国の交通事故の死者数は年々、減少傾向にあり、2024年は10年前と比べて約1500人減少しています。
その一方で、死者や重傷者を伴う重大事故の原因として急増している項目があります。スマートフォンなどを使いながら運転するいわゆる「ながら運転」です。2024年は全国で164件が発生し、統計の残る2007年以降、最も多くなりました。
岡山・香川とも2024年は、「ながら運転」による重大事故はありませんが、他人事だと考えるのは危険です。
「ながら運転」の危険性を検証した映像では、通常の運転と、スマートフォンを操作しながら運転する場合を比較しています。「ながら運転」の場合、突然、路上に飛び出してくるボールに反応できず衝突したり、ハンドル操作が不安定になり、対向車線にはみ出しています。
(JAF岡山支部 秋田博志さん)
「人間は2つのことを同時にするのは難しい。「ながら運転」をしていて視線がスマホに移ってしまうとブレーキや操作の反応が遅くなってしまう」
ゲームなどをするための「ながら運転」はもってのほかですが、仕事で運転中に業務上の電話がかかったり、メッセージが届いたりということもあります。
「ながら運転」での事故を防ぐためには物理的な対策が最も効果があります。
(JAF岡山支部 秋田博志さん)
「マナーモードにしたり、電源を切っておく。助手席や運転席の近くに置くのではなく、後部座席に置いたり、かばんに入れておくといった対策が必要になってくる」
(中西源太記者)
「軽い気持ちでやってしまいがちな「ながら運転』。しかし重大事故につながる可能性が高い非常に危険な行為です。事故を起こさないためにはしっかりと運転に集中することが必要です」